多くの筋トレ愛好家は、ボリュームのある丸い肩を手に入れたいと考え、毎日熱心に肩の筋トレを行っています。

肩の筋肉を鍛えることで、肩幅が広がり、憧れの逆三角形の体型が作れます。また、どの角度から見ても立体的な肩は、多くのトレーニーから羨ましがられます。

ただし、肩の筋トレは多くの人が取り組んでいるにも関わらず、なかなか成果が出ないと感じている人が多い部位です。

そこで今回は、肩の筋トレの基本中の基本である「サイドレイズ」という種目を説明します。

このトレーニングは多くの人が知っているものの、「正しい動かし方」や「適切な重さの選び方」について悩んでいる人が多いようです。

まずは基本的なやり方をしっかり身につけて、効果的なトレーニングを目指しましょう。

肩の筋肉の構造を知る

出典:Wikipedia

肩の筋肉(三角筋)は、前・中・後ろの3つの部分に分かれています。トレーニングする際は、それぞれを「フロント」「サイド」「リア」と呼び、部位ごとに様々なトレーニング方法があります。

【三角筋の構造】 ・前部:鎖骨の外側 ・中部:肩の上部(肩峰) ・後部:肩甲骨の後ろ側 これらは全て、上腕骨(二の腕の骨)に付着しています。

三角筋は、体の中心部と腕をつなぐ重要な筋肉です。上下・前後・左右など、あらゆる方向に腕を動かすことができます。

サイドレイズは、特に三角筋の中部を鍛えるトレーニングです。

一見簡単な動作に見えるサイドレイズですが、肩の筋肉に効果的な刺激を与えるのは意外と難しく、正しい形で行えている人は少ないのが現状です。

サイドレイズは腕を横に広げる動作ですが、ここで注意が必要です。腕を上げると自然と肩甲骨も動いてしまい、肩の筋肉だけでなく背中の筋肉(僧帽筋など)も使ってしまいます。これにより、本来鍛えたい肩の中部への効果が弱まってしまうのです。

サイドレイズの正しいやり方

1、ダンベルを両手に持ち、モモの前に保持する。足は腰幅から肩幅程度に開く。
2、肘は少し曲げたまま、ダンベルを横に広げる。上げる高さは上腕が地面と平行になる程度まであげる。
3、十分に上がったところから力をすぐ抜かずにゆっくり下ろす。

コントロールできる重量で行う

出典:https://www.gymshark.com/blog/article/how-to-do-lateral-raises

重すぎるダンベルは避けましょう。勢いをつけて振り上げることになり、正しいフォームが崩れます。本来鍛えたい肩の筋肉に十分な刺激が入りにくくなります。

15〜20回繰り返しができる重さを選びましょう。ゆっくりとした動作で最後まで制御できる重さが理想的です。

効果的なトレーニングのためには、確実にコントロールできる重さを選び、ゆっくりとした動作を心がけましょう。

これを意識することで、より効果的な肩のトレーニングが可能になります。

手の甲を上に向ける

多くの人は、ダンベルを横に上げる時、自然と『親指が上を向く』形になってしまいます。しかし、この形だと本来鍛えたい肩の筋肉(三角筋の中部)ではなく、他の部分に力が入ってしまいます。

正しい方法は『手の甲を上に向ける』ことです。この形を意識することで、肩の筋肉により効果的に刺激を与えることができます。

これは知っている人は実践していますが、意外と見落としがちなポイントです。

腕は横に広げるイメージで行う

よくある間違いは『腕を上に持ち上げる』イメージで行うことです。このイメージだと:

  • 肩が不必要に上がってしまう
  • 前腕(ひじから手首の部分)に余計な力が入る
  • 本来鍛えたい肩の筋肉(三角筋)に十分な刺激が届かない

『腕を横に広げる』イメージが大切です。 例えば:

  • 両手で大きな本を左右に開くような感じ
  • 翼を広げるような感じ

このイメージで行うことで、肩の筋肉により効果的にアプローチできます。

肩をあげない

疲れてくると、つい肩を上げながら(すくめながら)動作を行ってしまう人が多いです。 この動作が出てくると:

  • 首や僧帽筋に余計な力が入る
  • 本来鍛えたい肩の横の部分(三角筋)への効果が弱まる

肩は下げたままをキープし、腕だけを動かしましょう。きついからといって肩を使った反動をつけないように行います。

たとえ回数が少なくなっても、正しいフォームを維持することが大切です。それが最も効果的な三角筋のトレーニングにつながります。

サイドレイズのバリエーショントレーニング

サイドレイズには色々な種類があります。ここでは代表的な方法をいくつか紹介していきます。

それぞれのやり方を試してみて、自分に最も合ったトレーニング方法を見つけてください。

シーテッド・サイドレイズ

Seated dumbbell lateral raise instructions and video | WeightTraining.guide

出典:https://weighttraining.guide/exercises/seated-dumbbell-lateral-raise/

イスに座って行う三角筋です。立って行う場合と違って足の力が使えないため、肩により集中的に負荷がかかります。そのため、軽いダンベルでも十分な効果が得られ、特に初心者の方に適しています。

インクライン・サイドレイズ

インクラインダンベルサイドラテラルレイズ

出典:https://www.dmoose.com/blogs/shoulders/incline-dumbbell-side-lateral-raise

傾斜のついたベンチに横向きに寝て行うサイドレイズです。身体の前に置いたダンベルを斜め上に持ち上げますが、地面に対して垂直になると肩にかかる負荷が軽減してしまうため70〜80度程度あげたら腕を下ろします。これにより、肩の筋肉により効果的に働きかけることができます。

リーニング・サイドレイズ

How to Perform an Egyptian Lateral Raise | Mirafit

出典:https://mirafit.co.uk/blog/how-to-perform-an-egyptian-lateral-raise/

片手でバーなどにつかまって体を傾け、もう片方の手でサイドレイズをします。体を傾けることで肩により強い収縮をかけることができます。動作がシンプルで分かりやすいため、トレーニング初心者でも取り組みやすい種目です。

【肩の筋トレ】サイドレイズの基本フォームとコツを徹底解説のまとめ

サイドレイズは、腕を上げる角度や体の向きによって、肩の筋肉(三角筋)への刺激の入り方が大きく変わります。

そのため、効果的なトレーニングを行うためには、鏡を見ながら自分の動きをチェックし、肩の筋肉に適切な刺激が入っているかを常に確認することが大切です。

トレーニングを始める際は、まず軽いダンベルを使うことをお勧めします。軽い重量から始めることで、正しいフォームを身につけやすく、また肩の筋肉への刺激を実感しやすくなります。重量は徐々に増やしていけば良いでしょう。

せっかくのトレーニングを無駄にしないためにも、フォームや肩への意識を大切にしながら、丁寧に行うことを心がけましょう。