ルーマニアンデッドリフトは、背部から脚の裏側、特にハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)を重点的に鍛えることができるトレーニングです。デッドリフトの一種として、筋トレのビッグスリーに数えられるデッドリフトには、さまざまなバリエーションがあり、その中でもルーマニアンデッドリフトは特に効果的なトレーニングの一つです。

このトレーニングは、見た目以上に繊細な動きが求められますが、正しいフォームを習得すれば、非常に効率よく筋肉に負荷をかけることができます。特に、女性にとってはお尻から太もものラインを引き締める効果が期待でき、男性にとっても脚全体の強化に役立ちます。

基本的な動作としては、バーベルを持ち、腰を少し引いて膝を軽く曲げた状態で、上半身を前に倒していきます。このとき、背中を丸めずに、バーベルを脚に沿わせるようにして動かすことがポイントです。動作中、ハムストリングスにしっかりとテンションがかかっているのを感じながら行いましょう。

ルーマニアンデッドリフトは、一見簡単そうに見えますが、正しいフォームを維持するためには集中力が求められます。このトレーニングをマスターすることで、効かせ上手になり、より効果的に筋肉を鍛えることができるでしょう。

ぜひ、この機会にルーマニアンデッドリフトを習得し、トレーニングに取り入れてみてください。それでは、早速始めていきましょう!

ルーマニアンデッドリフトの概要と、その名の由来

ルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトのバリエーションの一つで、特徴的なのは、ひざをあまり曲げずにバーベルを持ち上げる点です。また、バーベルを下ろした際にも、地面にはつけずに動作を繰り返します。

名前の由来は、ルーマニア出身のボディービルダーがこの種目を好んで行っていたことから来ていると言われています。

ルーマニアンデッドリフトで鍛えられる筋肉は、主にハムストリングスです。

デッドリフトは全身の筋肉を鍛えるための非常に効果的なトレーニングですが、その変化形であるルーマニアンデッドリフトもまた、全身に刺激を与えるトレーニングとして知られています。特に、太ももの裏側に位置するハムストリングスに対して強い負荷がかかり、集中的に鍛えることができます。

これは、ルーマニアンデッドリフトの特徴である「ひざをほとんど曲げない」というフォームによるものです。ひざをあまり曲げずにバーベルやダンベルを上げ下げすることで、通常のデッドリフトよりも背中にかかる負荷が軽減され、その分ハムストリングスに集中して負荷がかかる仕組みになっています。

ただし、負荷の大部分がハムストリングスにかかるだけであり、背中をはじめ、前腕など他の筋肉も引き続き刺激を受けます。そのため、全身を効果的に鍛えることができる点は通常のデッドリフトと変わりありません。

ルーマニアンデッドリフトは、動画などを参考にしてみると、そのフォームの微妙な違いに気づくかもしれません。お尻を引く角度や体の前傾具合によって、狙った筋肉への刺激が変わるため、目的に応じたフォームで行うことが大切です。

トップサイドデッドリフトとの決定的な違いは…


出典:https://www.muscleandfitness.com/workouts/legs-exercises/work-your-hamstrings-romanian-deadlifts

ルーマニアンデッドリフトに加えて、通常のデッドリフトのバリエーションとして「トップサイドデッドリフト」もよく行われるトレーニングです。トップサイドデッドリフトは「ハーフデッドリフト」とも呼ばれ、バーベルを地面に完全に下ろさず、ひざの高さまで下ろしたところで再び持ち上げる動作を繰り返します。

ルーマニアンデッドリフトとトップサイドデッドリフトは、どちらもバーベルを地面に下ろさないという共通点がありますが、鍛える筋肉のターゲットが異なります。ルーマニアンデッドリフトでは、ひざをほとんど曲げないため、主に太ももの裏側にあるハムストリングスを集中的に鍛えることが目的です。

一方で、トップサイドデッドリフトでは、ひざを曲げて行うため、主に背中の筋肉に強い負荷がかかります。このトレーニングは、背中の筋力を強化することを目的としており、特に上背部や僧帽筋を鍛えるのに効果的です。トップサイドデッドリフトは、背中の厚みや強さを向上させたいときに非常に有効なトレーニングといえます。

ルーマニアンデッドリフトを行う際におさえておきたいポイントと注意点

ルーマニアンデッドリフトの最大の特徴は、ひざをあまり曲げずに行うことで、ハムストリングスに強い刺激を与える点です。しかし、通常のデッドリフトに慣れている方は、無意識にひざを曲げてしまうことがあります。

もし、ひざを伸ばしたまま動作を行うのが難しいと感じる場合、バーベルの重量が自分にとって重すぎる可能性があります。つまり、ひざを曲げないと持ち上げられないほどの重量になっているということです。この場合は、無理をせず、適切な重量に調整しましょう。

また、通常のデッドリフトと同様に、背中が丸まってしまうと腰に大きな負担がかかり、腰を痛めるリスクがあります。ルーマニアンデッドリフトを行う際は、常に背筋をまっすぐに保ち、正しいフォームでトレーニングを行うよう心がけてください。正しいフォームで行うことで、ハムストリングスを効果的に鍛えながら、ケガのリスクを減らすことができます。

バーベルでもダンベルでもできるルーマニアンデッドリフト。シングルレッグも可能


出典:https://simplifaster.com/articles/romanian-deadlift/

ルーマニアンデッドリフトは通常、バーベルを使用しますが、ダンベルを使うことも可能です。バーベルは大きな負荷をかけることができ、全身をしっかりと鍛えるのに適していますが、その分動作が制約され、小回りが効かないことがあります。

一方で、ダンベルを使用する場合は、左右それぞれに負荷を分散させることができるため、筋肉の左右バランスを意識してトレーニングができます。また、バーベルほど大きな負荷をかけることなく、適度な負荷でトレーニングができるので、体に過度な負担をかけずに行える点でもメリットがあります。

さらに、ルーマニアンデッドリフトの応用編として、両足で行う方法に加えて、片足で行うシングルレッグのバリエーションもあります。片足で体を支えることで、バランス感覚を養いながら、片側のハムストリングスや体幹を集中的に鍛えることができます。

片足が終わったら、足を入れ替えてもう片方の足でも同じ動作を行いましょう。シングルレッグのルーマニアンデッドリフトは、バランスを保ちながら片側に負荷をかけることで、より効果的に筋肉を鍛えることができるトレーニングです。

ルーマニアンデッドリフト:正しいフォームと効果のまとめ

ルーマニアンデッドリフトは、狙った筋肉に効かせやすいため、筋トレ初心者にもおすすめのトレーニングです。しかし、効果を得るためには、正しいフォームとやり方をしっかり理解することが非常に重要です。

フォームが崩れると、筋肉に効かせることができないばかりか、ケガをするリスクも高まります。まずは、自分に合った重量を選び、無理をせずに正しい動きを心がけながら、トレーニングを進めましょう。