筋トレに少しでも興味を持ったことがある方なら、厚い胸板に憧れたことはありませんか?
映画で見るような、腹筋が割れていて、胸板がしっかりしている俳優さんを見ると、誰でも「かっこいいな」と思いますよね。
「胸を大きくしたいけど、どうやればいいのかわからない」とか、「ベンチプレスをやっているけど、なかなか胸が大きくならない」といった悩みをよく耳にします。
そこで今回は、大胸筋を鍛えるための基本的なトレーニングから、追い込み方までをわかりやすく解説していきます。
まずは、大胸筋がどんな筋肉で、どんな役割を持っているのかを簡単におさらいしましょう。
「大胸筋ってどんな筋肉?」と思った方は、ぜひこちらを読んで確認してみてくださいね。
意外と知らない!?大胸筋の鍛え方!
出典:https://nydnrehab.com/blog/pectoralis-major-trigger-points-the-cardiac-copycats/
次に、大胸筋を鍛える際のポイントをお伝えします。大胸筋のトレーニングは、上部、中部、下部、内側部の4つに分けて行うのが効果的です。
その理由は、大胸筋が3つの部分(起始)から構成されているため、それぞれをしっかり狙って鍛える必要があるからです。また、内側部は特定のトレーニング方法を取り入れることで効果的に鍛えられるため、トレーニング種目を4つに分けて取り組むことが大切です。
初心者でも安心!器具を使ったトレーニングの紹介!
それでは具体的なトレーニング方法についてご説明していきます。まずはジムの器具を使ったトレーニング法から始めましょう。
ジムにあるトレーニング器具を活用すると、自重トレーニングよりも負荷を増やせますし、動作が固定されているため、初心者でも安全に正確に筋肉へ刺激を与えることができます。
【トレーニングマシン】
大胸筋を鍛える代表的なトレーニングマシンには、チェストプレス、バタフライマシン、ケーブルマシンがあります。これらのマシンは特定の筋肉をピンポイントで狙えるので、初心者でも簡単に使え、確実に狙った部位を鍛えることができるのが特徴です。
チェストプレス
出典:https://www.dmoose.com/blogs/chest/seated-chest-press-machine
チェストプレスは、大胸筋を鍛えるマシンの中でも最も代表的なマシンです。このトレーニングでは、大胸筋の中部全体に刺激を与えることができ、ベンチプレスと似た動作を行います。
チェストプレスマシンは、動きが固定されているため、初心者でも正確に大胸筋を鍛えることができます。やり方も非常にシンプルで、バーを真っ直ぐ押し出し、そのまま元の位置に戻すという動作を繰り返すだけです。
インクラインプレス
出典:https://www.panattasport.com/it/fit-evo/inclined-chest-press/
インクラインプレスはチェストプレスに似た動きですが、バーを真っ直ぐ押すチェストプレスとは異なり、インクラインプレスでは斜め上にバーを押し上げます。このため、大胸筋の上部に特に効果的な刺激を与えることができます。
多くのインクラインプレスマシンは座った状態で行いますが、機種によっては斜めに傾いた角度で行うものもあります。トレーニング方法としては、バーを斜め上に押し上げて、ゆっくり元の位置に戻すという動作を繰り返します。
バタフライ
出典:https://www.thehealthsite.com/fitness/know-your-exercises-chest-fly-or-the-butterfly-196228/
バタフライは、大胸筋の内側部を効果的に鍛えることができるトレーニングです。座った状態で両腕を寄せるような動作を行います。大胸筋の内側をターゲットにしたトレーニングにはダンベルフライもありますが、初心者にはコントロールが難しく、正確に刺激を与えにくい場合があります。そのため、バタフライマシンを使ってトレーニングすることをおすすめします。
やり方としては、両腕を開いた状態でバーを握り、胸を絞り込むように腕を寄せていきます。その後、ゆっくりと元の位置に戻します。
ケーブル
出典:https://liftmanual.com/cable-standing-chest-press/
ケーブルマシンは、これまで紹介したマシンよりも動きの自由度が高く、使い方次第で大胸筋全体を鍛えることができるトレーニング器具です。今回は、ケーブルを使ったトレーニングの中でも代表的な「ケーブルクロスオーバー」を紹介します。このトレーニングは、大胸筋の内側部に特に効果的です。
やり方は、両側にあるケーブルハンドルを握り、胸の前でクロスさせるように引き寄せます。このとき、体を少し前傾させ、胸を締め込むようなイメージで動作を行うのがポイントです。
【スミスマシン】
出典:https://www.matrixfitness.com/jp/jpn/strength/free-weights/g1-fw161-smith-machine
スミスマシンとは、バーベルが特定の軌道に固定されているトレーニングマシンのことです。固定されているといっても、上下の動作はスムーズにできるよう設計されています。また、スミスマシンにはフックが付いており、負荷が限界に達して腕が伸びなくなったときにも、すぐにフックに掛けてバーベルを安全に支えることができます。
このマシンは胸だけでなく、肩や背中、脚のトレーニングにも応用できるため、とても汎用性が高いです。特に一人で追い込んだトレーニングをしたい場合には、スミスマシンは安心して使えるおすすめの器具です。
スミスマシン・ベンチプレス
スミスマシンを使ったベンチプレスは、特に初心者におすすめのトレーニングです。このエクササイズでは、大胸筋全体、特に中部を効率よく鍛えることができます。ベンチプレスが未経験の方でも、スミスマシンならバーベルが固定されているため、誤った動きやバランスを崩す心配が少なく、安全に行えます。さらに、自分の限界まで追い込んだトレーニングも、サポートがあるので安心して取り組めるのが魅力です。
スミスマシン・インクライン・ベンチプレス
スミスマシンを使ったインクラインベンチプレスは、可変式のベンチを30度から45度の角度に調整して行うトレーニングで、大胸筋上部に特に効果があります。この種目は、上半身を引き締めたいトレーニーに人気です。インクラインの角度にベンチを設定したら、仰向けに寝て、通常のベンチプレスより少し狭めに手幅をとります。
スミスマシン・デクライン・ベンチプレス
【バーベル】
バーベルを使ったトレーニングは、スミスマシンと同じ種目を行えますが、バーが固定されていないためバランスを取るのが難しくなります。そのため、重量もスミスマシンより軽く設定する必要があります。
バーベルベンチプレスは、パワーリフティングの正式種目であり、筋トレをする人にとって最も一般的なトレーニングと言えます。まずは基本的なベンチプレスを習得し、徐々に高重量を扱えるようにしていきましょう。
・インクライン・バーベル・ベンチプレス
インクライン・バーベル・ベンチプレスは、ベンチを斜めにして行うベンチプレスで、大胸筋上部に効果的なトレーニングです。やり方はスミスマシンと似ていますが、バーベルを使用する際は、バーを頭の後ろにセットしてから行います。バーベルを持ち上げるときは不安定になることがあるため、最初は必ず自分がコントロールできる軽い重量から始めることをおすすめします。
バーベル・ベンチプレス
バーベル・ベンチプレスは、ウエイトトレーニングの基礎であり、ビッグ3(スクワット、デッドリフト、ベンチプレス)の1つに数えられています。特に厚い胸板を目指す人にとっては、このベンチプレスをマスターすることが非常に重要です。
基本のフォームをしっかり押さえることで、より重い重量を扱えるようになり、胸筋の発達にも効果的です。日本でも、シングルベンチプレスで200キロ以上を持ち上げる「ベンチプレッサー」と呼ばれる人たちがいます。フォームのポイントを押さえ、正しいやり方でトレーニングを行うことが、効果的なベンチプレスへの近道です。
デクライン・バーベル・ベンチプレス
デクライン・バーベル・ベンチプレスは、お尻を浮かせた状態で行うベンチプレスです。このトレーニングはスミスマシンで行うデクライン・ベンチプレスと同じ動きをしますが、バーベルを使う場合はバランスを取るのが難しいため注意が必要です。デクライン台がある場合はそれを使用し、ない場合はお尻を浮かせて斜めの状態を作って行います。斜めの姿勢で行うことで、大胸筋の下部に効果的に刺激を与えられます。フォームを意識し、安全に行いましょう。
【ダンベル】
ダンベルを使った大胸筋トレーニングは、マシンやバーベルと比べて腕の動きに自由度があり、さまざまなトレーニングが可能です。その一方で、バランスを取るのが難しく、片手でダンベルを支える必要があるため、扱える重量はバーベルを使う場合よりも軽くなります。しかし、ダンベルをしっかりとコントロールできるようになるとトレーニングのバリエーションが広がり、より効果的な筋肉刺激を得られます。積極的にダンベルをトレーニングメニューに取り入れることをおすすめします。
インクライン・ダンベルプレス
インクライン・ダンベルプレスは、斜めのベンチに寝た状態で行うダンベルプレスで、大胸筋の上部を集中的に鍛えることができるトレーニングです。バーベルを使った場合よりも、胸のストレッチが感じやすいのが特徴ですが、無理に重いダンベルを扱うと、上腕二頭筋の長頭腱や三角筋の前部を痛めるリスクがあります。適切な重量を選び、フォームを意識してコントロールしながら行いましょう。
ダンベルベンチプレス
ダンベルベンチプレスは、大胸筋全体(特に中部)を鍛えるための基本的なトレーニングです。この種目は、ダンベルを使ったトレーニングの中でも非常にスタンダードで、多くのトレーニーが取り入れています。動きの自由度が高く、左右均等に負荷がかかるので、大胸筋全体をバランスよく発達させることができます。正しいフォームをしっかりと覚えて、安全かつ効果的に行いましょう。
ダンベルベンチプレスは両手を同時に動かす方法が一般的ですが、片手ずつ行ったり、交互にダンベルを下ろす「オルタネート」バリエーションもあります。今回はその中でも「ダンベルプレス・オルタネート」を紹介します。
「オルタネート」とは交互に動かすという意味です。この方法は、狙った部位を鍛えるだけでなく、バランスを取るために体幹にも負荷がかかるのが特徴です。体幹の強化にも役立つため、筋トレの効率をさらに高めることができます。
オルタネートは、様々なトレーニングに応用ができるため、ぜひチャレンジしてみてください。
デクライン・ダンベル・ベンチプレス
デクライン・ダンベル・ベンチプレスは、大胸筋の下部を集中的に鍛えるトレーニングです。ベンチに足を乗せた状態で行うため、バランスを取るのが難しくなります。ダンベルを同じ軌道で下ろし、まっすぐ持ち上げることが重要なポイントです。
デクライン台がある場合は、それを使って行うことでより安定した動作ができ、効果的にトレーニングが進められます。フォームを崩さないように注意しながら、下部の筋肉にしっかり刺激を与えていきましょう。
ダンベルフライ
ダンベルフライは、大胸筋内側部を集中的に鍛える効果的なトレーニングです。フリーウエイトで大胸筋内側を鍛える場合、ダンベルフライは最も有効な方法の一つと言えます。通常のフラットベンチで行うスタンダードなもののほか、インクラインやデクラインの状態で行うバリエーションもあり、それぞれ大胸筋の異なる部位に刺激を与えることができます。
ダンベルフライは、動作の自由度が高いため、しっかりとしたフォームを保ちながら行うことが重要です。胸をしっかりストレッチさせながら、動作中に肘を大きく曲げすぎないよう注意してトレーニングを進めましょう。
まだやったことない!?胸板を厚くする追い込み法!
コンパウンドセット法
大胸筋を追い込んで鍛える方法の一つに「コンパウンドセット」があります。これは、異なる種目をインターバルを取らずに続けて行うトレーニング方法です。
具体的には、まずダンベルベンチプレスを10回程度が限界の重量で行い、その直後に、重量を軽くしてダンベルフライを続けて行います。このセットで大胸筋にさらなる刺激を与えることができ、追い込みトレーニングとして非常に効果的です。
可変式のダンベルがない場合は、異なる重量の固定式ダンベルを2種類用意して行うとスムーズにトレーニングできます。
追い込みトレーニングは負荷が大きく、初心者にはリスクが伴うため、トレーナーや経験豊富なトレーニング仲間と一緒に行い、安全に進めることが大切です。
ドロップセット法
次に、大胸筋を鍛える「ドロップセット法」についてご紹介します。このトレーニング方法では、まずダンベルを10回程度で限界を迎える重量でスタートします。ドロップセット法は、インターバルを取らずに続けて行うため、かなり追い込めるトレーニングです。
動画では可変式のダンベルを使用していますが、可変式がない場合は、あらかじめ異なる重量の固定式ダンベルをいくつか用意しておくとスムーズに行えます。ただし、ジムによっては一人で複数のダンベルを使うことを制限している場合がありますので、その場のルールに従ってトレーニングしてください。
ドロップセットでは、最初の重量で限界に達したら、次に20〜30%軽い重量にして続けます。このプロセスを2〜5回繰り返して、筋肉を「オールアウト」させるまで追い込みます。
※「オールアウト」とは、筋肉が完全に疲労し、もう動かせない状態のことです。
大胸筋を効果的に鍛える方法:胸板を厚くする筋トレ法を徹底解説!のまとめ
厚い胸板を作るためには、まずは基本となる「バーベル・ベンチプレス」で高重量を扱えるようにすることが最優先です。トレーニングを始めると、様々な知識が増えて他の種目も試してみたくなるかもしれませんが、胸を大きくしたいなら、まずはベンチプレスで力をつけるのが一番の近道です。
高重量を扱えるようになったら、インクラインやデクラインを取り入れて、部分的に胸をデザインしていくと効果的です。もちろん、最初からインクラインベンチプレスを取り入れても問題ありませんが、補助種目を加えながらメイン種目の重量を徐々に増やしていくことで、より効果的な筋肥大が期待できます。